2020年10月17日
ファイナンシャルプランナー(FP)って具体的に何を相談できるの?【FPに聞いてみた】
ファイナンシャルプランナー2級保持のライター・海田幹子です。
今回はファイナンシャルプランナーって聞いたことはあるけど何をする人?何が相談できるの?といったことを簡単にご紹介させていただきます。
多くの方は「将来のために貯金をしたいけど全然できない……どうしたら良いの?」「家を買いたいけど、いくらの家が買えるのだろう?」などといった、お金に関する悩みや不安があるものです。では、その悩みや不安はどのように解消すれば良いのでしょうか?答えのひとつとして、お金とくらしのスペシャリストである「ファイナンシャルプランナーに相談してみる」という方法があります。ファイナンシャルプランナーに相談できるテーマや、相談するメリット・デメリットについて詳しくご紹介していきましょう。
目次
ファイナンシャルプランナー(FP)ってそもそも何?
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、くらしとお金の専門家です
ファイナンシャルプランナーの業務範囲
ファイナンシャルプランナーとは、相談者のライフプランを設計したり、家計相談に乗ったりすることができる「くらしとお金の専門家・スペシャリスト」です。
たとえば将来の夢や目標の実現に向けて、資金計画など経済的な側面から考えることを「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャルプランナーは相談者の相談内容に合わせたファイナンシャル・プランニングを考え、サポートするのが仕事です。そして、その相談内容は金融、不動産、住宅ローン、税制、保険、年金、相続など多岐に渡るため、人のくらしやお金に関する幅広い知識を勉強しています。
ファイナンシャルプランナー(FP)は2種類
ファイナンシャルプランナーは、銀行や保険、証券会社などの企業に属する企業系ファイナンシャルプランナーと、セミナー講師や個人相談を仕事とする独立系ファイナンシャルプランナーの2種類に分かれます。「家計診断をしてほしい」や「相続準備について知りたい」などの個人的な相談は、後者の個別相談に乗ってくれる独立系ファイナンシャルプランナーを探すと良いでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)の探し方や相談方法とは?
おすすめは日本FP協会
インターネットで検索すれば、たくさんの紹介サイトやサービスサイトがあります。その中でもおすすめなのは、日本FP協会の公式サイトです。
参照(外部サイト) 日本FP協会公式サイト:https://www.jafp.or.jp/
日本FP協会とは、ファイナンシャル・プランニング技能検定を行っている協会で、ファイナンシャルプランナーの頂点といわれているCFP®資格の保有者が約23,000人登録されているため安心感があります。
CFP®資格とは?
CFP®資格は、北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアを中心に世界25カ国・地域(2020年8月現在)で導入されている、「世界が認めるプロフェッショナルFPの証」で、FPの頂点とも言えるものです。原則として一国一組織により資格認定が行われており、日本においては日本FP協会が認定しています。
出典:日本FP協会 CFP®資格とは? https://www.jafp.or.jp/aim/cfp/cfptoha/
日本FP協会で探して相談する
相談するには、日本FP協会の「CFP®認定者検索システム」で、住んでいる場所や相談したいことをクリックすれば、相談に乗ってくれるファイナンシャルプランナーがずらっと表示されます。検索は相談したい分野やCFP®認定者の年齢からも探すことができ、検索結果一覧では相談料の目安なども出ますので、より希望に近い検索が可能です。理想に近い人が見つかれば、そのままメールフォームからお問い合わせすることができます。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談できる10のテーマ
ファイナンシャルプランナーが対応できるテーマ10個を、相談例を挙げて紹介します。
(1)家計管理や貯蓄方法
日々の家計管理や貯蓄方法など
相談例:「毎月赤字続きで将来が不安」「将来のために貯蓄を増やしたいけどやり方がわからない」など
(2)老後の生活設計
日々老後の生活資金準備方法や老後の生活設計、年金の仕組みについて
相談例:「老後の資金の貯め方は?」「老後のために、今どんな生活をすれば良いの?」など
(3)教育資金
将来の教育資金の準備方法や子供の人数に合わせたシミュレーション、奨学金について
相談例:「教育資金はどんな貯め方がおすすめ?」「教育資金がなかなか貯まらない」など
(4)年金の仕組みや社会保険
公的年金の仕組みや利用可能な社会保障の制度について
相談例:「自分はいつからいくらの年金がもらえる?」「出産や育児でもらえるお金が知りたい」など
(5)住宅資金や住宅ローン、不動産活用
住宅資金や住宅ローンの借り入れや返済、不動産の活用方法ついて
相談例:「今の年収ならいくらの家が買える?」「住宅ローンは変動と固定どちらが良いの?」など
(6)資産運用や投資
投資信託や株などの仕組みや金融商品、投資全般について
相談例:「まとまったお金ができたので、資産運用を学びたい」「退職金の運用方法について」など
(7)税制
さまざまな控除や税金、節税について
相談例:「医療費控除はいくら医療費を払ったら申請できるの?」「節税方法が知りたい」など
(8)介護・医療費
介護保険の仕組みや介護費用の準備方法について
相談例:「将来介護施設にお世話になりたいけど、費用はどのくらい?」「公的介護保険だけで足りるのか不安」など
(9)保険
生命保険の選び方や見直し、医療保険や損害保険などの保険の考え方や仕組みについて
相談例:「今の損害保険で保障は十分?」「自分にぴったりな生命保険を教えてほしい」など
(10)相続・贈与
遺言や相続の準備方法、相続対策や贈与、事業継承対策について
相談例:「子や孫へ生前贈与がしたい」「現金の相続がなく、相続税が払えるか不安」など
プロに聞きたいと思ったらまずは相談
ファイナンシャルプランナーは、相談者の希望に沿ったライフプランの設計、相談者の具体的な現状を基にしたファイナンシャル・プランニングを行い、悩みの解決方法やアドバイスを行います。「将来のお金が不安で……」といった、漠然とした相談でも大丈夫です。お金とくらしについてプロに聞きたいなと思ったら相談してみると良いでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するメリットとデメリット
相談する3つのメリット
1. 自分専用のライフプラン(人生設計)が作れる
ライフプランとは、結婚や出産、マイホームの購入といった人生における大きなイベントを想定し、イベントごとにかかるお金やタイミングを把握するために作る計画のことです。インターネットで検索すれば、ライフプランをシミュレーションしてくれるサイトは数多くありますが、それらは簡単な質問から作られる簡易的なものなので、一般的なライフプランしかわかりません。自分だけのしっかりしたライフプランが作りたいなら、プロであるファイナンシャルプランナーに任せるのがベストでしょう。
2. お金について適切なアドバイスを受けることができる
インターネットや本で調べただけでは、ご自身が抱えているお金の悩みについて最適な解決方法を探し出して選択するのはとても難しいことです。なぜなら、お金に関する悩みとは、年収や貯蓄状況、就業状況、家族構成、年齢や理想の暮らし方など、ひとそれぞれの環境と状況によって全く異なるからです。もし、最適な解決方法をお探しなら、資金計画や税制度、老後資金や教育資金など、くらしにまつわるさまざまなお金の知識を持つファイナンシャルプランナーに相談をすることで、プロの適切なアドバイスが受けられるのでおすすめです。自分では気づかない問題点を指摘してくれるところも、メリットといえるでしょう。
3. お金の不安が解消される
先の見えない将来の生活費・教育費・老後資金などは本当に大丈夫なのか、心配になることがあります。お金について悩みや不安があると、心が沈みがちになり、精神的にいい状態ではありません。しかし、漠然とした将来に対する悩みや不安はなかなか解消されないもの。自分で調べても解決しないときは、プロの手を借りるのがおすすめです。ファイナンシャルプランナーに相談することで、漠然とした将来像が明確になり、将来の見通しがたち、お金の不安が解消されることもメリットといえるでしょう。
相談する3つのデメリット
1. 相談料がかかる場合がある
ファイナンシャルプランナーに相談する際には相談料がかかる場合があります。日本FP協会に登録しているCFP®資格者の相談料は1時間で0円~20,000円ほどとなっており、選ぶファイナンシャルプランナーによって料金設定はさまざまです。相場として、多くのファイナンシャルプランナーは相談料が1時間5,000円ほどとなっており、0円の人は金融や保険、不動産といった企業に属している企業系ファイナンシャルプランナーがほとんどです。
2. ファイナンシャルプランナー(FP)と自分が合わないケース
インターネットでファイナンシャルプランナーの相談予約をする場合、インターネットの情報だけで相手を決めるため、ファイナンシャルプランナーとの相性が悪い場合があります。もちろん、自分と合わないなと思った場合でも、有料設定なら相談料は必要です。ファイナンシャルプランナー選びで失敗しないためには、「相談内容と得意分野が一致すること」や「相談実績の多さ」、「他の専門家(税理士や弁護士など)とのネットワークの広さ」などのほか、「ファイナンシャルプランナーの紹介文に好感がもてるか」などもしっかりチェックすると良いでしょう。
3. 金融会社・保険会社に都合の良い商品を提案される可能性がある
ファイナンシャルプランナーの中には、相談者の利益優先ではなく、金融会社や保険会社に都合の良い商品を提案してくる人もいます。特に、無料相談は金融商品や保険商品をすすめられるケースがよくあります。相談したからといって、必ずすすめられた商品の検討や購入をする必要はありません。自分に本当に必要なのかどうかを見極めることが大切です。
まとめ
- 自分で解決できないお金の悩みや不安があれば、その分野を得意とするファイナンシャルプランナーにインターネットから相談予約ができる
- ライフプランニングから税金や老後資金、資産運用まで、お金にまつわるさまざまな知識を有するファイナンシャルプランナー。自分の悩みに対して適切なアドバイスがほしいなら、お金のプロに相談してみることがおすすめです。相談する際の相談料やファイナンシャルプランナーの得意分野と相談したい内容があっているかをしっかりチェックし、相談予約を入れましょう。
自分の立場になって考えてくれるファイナンシャルプランナーと出会うことができれば、具体的な将来設計や解決方法によってお金の悩みや不安が解消され、より良い生活が送れるかもしれませんよ。